2022/11/30

【防災】ラニーニャ現象と黒潮大蛇行が冬まで続き関東を含む豪雪などで災害リスクが高まる恐れ

 


現在発生中の海洋現象である「ラニーニャ現象」「黒潮大蛇行」は、私が研究しているような地震との関係だけでなく日本の気象に大きな影響を与えることがあるが、これから冬にかけて豪雪などの影響を中心に、今後注意すべきことなどを見て行きたい。


◆ラニーニャ現象

まず、ラニーニャ現象だが、最近は気象関連のニュースで頻繁に目にするようになった。


これは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。

逆に、同じ海域で海面水温が平年より高い状態が続く現象をエルニーニョ現象と呼ばれる。

それぞれ、通常は数年おきに発生する。


エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられている。


現在のラニーニャ現象は、2021年秋に発生して既に1年以上続いている。


◆黒潮大蛇行

次に、黒潮のこと。

現在、西日本の南岸を東へ進む黒潮が四国から紀伊半島沖で南へ大きく蛇行する「黒潮大蛇行」の現象が起きている。

黒潮大蛇行は、2017年8月下旬に発生して以来、5年間以上という異例の長期間となっている。


ちょうど今日、JAMSTECサイトの「黒潮親潮ウォッチ」が更新されて2023/01/31までの黒潮長期予測が出た。


2023年1月31日までの黒潮「長期」予測(2022年11月30日発表)


これによると、黒潮大蛇行は5年4ヵ月になったが、今後も続行するとの予測になっている。


そうなると自説では南海トラフ巨大地震は来年以降に終息するまでは大丈夫ということになるが、この記事はそのテーマではないので省略する。


◆ラニーニャ現象の影響

私は2017年にエルニーニョ・ラニーニャ現象が地震の発生に影響を与えるかということに着目し、研究を始めた。

だが、この記事では地震・噴火以外に日本の気象に与える影響をメインとするため、『探求三昧ブログ』ではなくこのブログで書くことにした。


ラニーニャ現象が発生中は、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低くなる。

また日本の周辺海域では、下記マップで赤系の色で示すように海水温が高くなる。


上記マップで、四国から紀伊半島沖で青色が南へ細長く伸びているので、渦の中だけ海面水温が低下する黒潮大蛇行が起きていたことがわかる。


ラニーニャ現象の発生中には太平洋高気圧が北に張り出すことで、日本付近に吹く偏西風が蛇行し、冬型の気圧配置が強まる傾向がある。


その結果として、昨冬同様に今冬も降雪地帯では「ドカ雪」の可能性があるという。



◆関東の降雪

関東地方のわれわれは、降雪地帯ではないからと安心もできない。

黒潮大蛇行の発生中は、東京など関東地方に雪をもたらす傾向があるという研究がある。


ちょうど2017年8月に黒潮大蛇行が始まって初めての冬だった2018年1月下旬にも、東京で雪が降ったことをブログで書いていた。

当時3歳の娘の愛弥美は喜んでいた。



だが、当時SEで大田区に派遣されていた私は、雪に弱い東京で交通が大混乱して喜ぶどころではなかった。


京浜急行の平和島駅で電車に乗って、品川駅で乗り換える時に、JRから京急の連絡改札では入場規制が出ていて、まるで災害でも起きたかのような混乱ぶりだと書いていた。

都心はまだ数センチの積雪にすぎないのに、この有様だと。


その時思ったのは、たかだか数センチの積雪でこんなに交通が大混乱するのでは、首都直下地震や富士山大噴火などの大災害が首都を襲ったら、どうなってしまうのだろうか?ということ。

そういう意味でも、都心は住みたくはないものだ。


このように、「たかが海洋現象」ではないのだ。

ラニーニャや黒潮大蛇行は、われわれの生活に大きな影響を与える。


更には、私の研究では大地震の発生にも大きな影響を与える。

詳しくは、Amazon Kindleで刊行中のシリーズ『大地震は海洋現象で予測できる』を。