2022/11/20

満月不眠症候群~満月の夜に眠れなくなる人々~「オカルト」が「科学」になるとき

 


私は若い頃は、満月の頃になると眠れなくなる人間だった。

満月の頃には犯罪が増えるなど人間の精神状態が月の位相に影響を受けることは科学的に明らかになっているが、では睡眠を妨げるということがあるのだろうか。

この記事は、18年前に探求三昧ブログで執筆した内容を加筆訂正する。


駆け出しブロガー

この記事は、18年前の2004/09/30に『探求三昧ブログ』で執筆したものを加筆訂正したもの。

当時は、同月に「はてなダイアリー」(後のはてなブログ)でブログを開設して間もない頃で、数本目の記事として書いたものだった。


まだSEとして働いていた頃で、仕事のかたわらでブログというものを手探りで始めた頃だった。


眠れない

※再掲部分ここから

5年ぶりのソフトウエア開発の仕事を始めて1ヶ月。

今日は朝早く目がさめて、その後眠れなかった。

きっと満月のせいだろう。


【注】この時、2日前の2004/09/28が満月で、2日経っていた。


若い頃から、満月や新月の夜には眠れなくなる人間だった。

もっとも、そんなことは「普通の人々」に対しては話題にしないが。


だから、月齢がわかるカレンダーは貴重なものだった。

いまでこそPCで簡単にわかるソフトがあって不自由はしないのだが。


不眠対策

眠れない対処策として、満月の日には眠れなくなる性質の食物を極力食べないようにした。

たとえば、ニンニクや刺身など。

私は自分自身を「敏感体質」と呼んでいるが、どういう食べ物をとると眠れなくなるのかということは、経験的に全部知っているのだ。


だが、そういう性質があるということは、「科学的に」は否定される。

現代の自然科学では、そういうものを測定できるすべがないからだ。


【注】安眠を妨げる食品については、近年の研究でわかってきた部分がある。


「満月不眠症候群」は、『月の魔力』(アーノルド・リーバー著、東京書籍)のような科学的な本によって、やっと世の中にそういう人たちがいるのだということが認められつつある。



このように敏感体質ということで、色んなことに敏感なわけだが、霊的な事項についても当てはまる。

もっとも、身の回りには霊感がある人々が多いので、そういう人たちと比べると、ことさらに言うほどに霊感が優れているわけでもないが。


もし読者の方々のお子さんが、こういうデリケートな資質を持っている場合、そのような側面を理解して、人一倍デリケートに育てなければならないだろう。

※再掲部分ここまで


満月不眠のメカニズム

満月と不眠の関係については、ひと昔前は「オカルト」の世界だったが、近年になって解明されてきた部分がある。


2013年にスイス・バーゼル大学附属精神科病院のクリスチャン・カヨチェン氏らの研究チームが、細胞生物学会誌に発表した実験結果がある。


スイスでは、就寝中に月を感じる、あるいは満月のせいでよく眠れないと訴える人が約40%に上る。

そこで研究チームは、20~74歳の健康な被験者33人に研究施設に3日半滞在してもらい、窓のない部屋で寝てもらう実験を行った。


その結果、部屋から月は見えなかったにもかかわらず、満月の夜は睡眠時間が平均して20分間短くなった。

眠りに落ちるまでにかかる時間は、新月の夜に比べて約5分長くなり、深い眠りに落ちている時間は平均で30%減った。


更に、ヒトの眠気を司るホルモンであるメラトニンの分泌量を調べた結果、満月が近づくにつれてメラトニンの分泌量が減っていた。

結論として、カヨチェン氏は「人の睡眠およびメラトニンの分泌量は、満月までの日数に大きな影響を受けることが分かった」と解説する。



米国の研究でも

2021年1月には、米国『サイエンス・アドバンス』に掲載された論文がある。

それは、月のサイクルがヒトの眠りに影響を与えるかどうかについての実験結果だった。


98人を対象にした実験で、29.5日間の月の満ち欠けの周期に応じて、被験者の睡眠パターンが変化した。

月が最も明るくなる5〜3日前に、入眠時刻が最も遅く、また、総睡眠時間が最も短くなるという結果となった。


また、ワシントン大学生物学部の博士研究員、レアンドロ・カシラギらの研究では、被験者460人以上を対象に調査を行った結果、満月の前には被験者の入眠までの時間が平均30分伸び、総睡眠時間は平均50分短くなった。


「一連のデータには、本当に驚かされました。月が私たちの睡眠に、現実に影響していることが証明されたのですから」とカシラギは語る。



オカルトから科学へ

自然科学というのは、そういうものだ。

科学者は、自分たちがわからないものはアプリオリに否定したり、「オカルト」扱いする。


だが、まだ地球上の自然科学が「真理」に追いついていない可能性などは、あまり考えない。

ごく一部、そのような可能性を追求して、人類にとって未知の領域を切り開くような発見をした人々は、後世の人々に称えられ、ノーベル賞を受賞したりする。


科学者というのは、言ってみれば「専門馬鹿」で、自分の専攻する分野に関する知見は優れているが、自分が関係ない分野については、却って私のような物書きの方が、徹底的にリサーチした結果として良く知っていることもあるのだ。


不眠を誘発する食品

では、食べると眠れなくなる食品というものは、実際にあるのだろうか。

もちろんカフェインを含む飲食物は良く知られていて、私も夜にコーヒーを飲むと眠れなくなるのは一般の多くの人々と同様だ。


また、メントールのように、カフェインに似た覚醒作用がある物質を含むものも同様となる。

私はそのことを良く知らずに、タイの嗅ぎ薬ヤードムを夜に頻繁に使っていて、なぜ眠れなくなるのだろうと思っていた。


食品については、未知の部分もあるが、わかっていることもある。

たとえば、私が若い頃にニンニクや刺身を食べて眠れなくなった要因として、考えられるのは、以下のようなことだ。


唐辛子やネギ、ニンニクなどの刺激の強い食べ物は血行を良くしたり発汗を促したりする効果がある。

だが、眠る前には体温を徐々に下げる必要があるため、刺激の強い食べ物を食べてしまうとなかなか眠りにつけなくなることもあるという。



私のような「敏感体質」で、夜に食べるものを不用意に選んだ結果として不眠に陥ることがある方々は、食べるものに気を付けた方が良いでしょう。



※月の満ち欠けと共に生きているような私のような人間は、月齢カレンダーが欠かせない。

そろそろ来年版が出揃ってきて、色々なデザインから選ぶことができる。